【目的】55万SNPsを用いたGenome-Wide Association Studyにより、欧米人と日本人の2型糖尿病遺伝素因の異同を検証する。
【方法】1次では、DM519人とコントロール(NDM)503人をtypingし、2次パネル(DM1110人とNDM1014人)で1456 SNPsを検証した。こうした探索的アプローチと並行し、既報の11SNPsを追試した。さらにDM4000人とNDM4889人からなる大規模パネルでreplication studyと、メタ解析を行った。
【結果】4つの遺伝子座が同定され、1つは新規、3つは既報のCDKAL1、CDKN2A/BとKCNQ1であった。他に5つの遺伝子座で有意なassociationが追試できた。欧米人と日本人で感受性遺伝子の多くは重複するものの、日本人で個々のSNPの遺伝的効果が大きい傾向が見られた。
【総括】本研究の結果は、従来から提唱されてきた通り「cosmopolitan効果」をもつ遺伝子座と、人種特異性の高い遺伝子座の存在を支持する。